三つ目の願い
平屋に住みたい、とずっと思っていて、
・・なんて、唐突だが、
近所に平屋の売家が出たので思わず見に行ってきたの。
三つの願い、とかよく言うけれど、
私の三つ目の願い(1,2は内緒!)が、
いつか平屋に住むということ。
かつて一度も平屋に住んだ経験はないのだけど、
手放しで憧れるものの一つ。平屋。
平屋は2階がない、当たり前だが。
そして家としては大きくないものが多く、
敷地に対してゆとりを持って建っていように見える。
私の平屋にはそれにガレージの奥に裏庭がついていると申し分ない。
さらに川べりか海が近くだともっといいな。
その平屋には土間があり、
居間と寝室、お風呂があれば十分だ。
そこに大きめのベッド、
テーブルにいすが2脚ぐらいがあればいい。
入り口の扉を開けると裏庭が見えるとなおいい。
私はその裏庭で野菜を少し作り、
川辺で魚や草を採る、
もう健康なんか気にしない、
なぜなら健康だから。
夜は少し怖い、
何せ平屋なので、戸締りはいたって簡単、
けれども健康なので勇気をもって眠れる。
春と夏と秋と冬、
大好きな人がやってくると、
私はうれしさのあまり足取り軽く、
トマトや茄子をもぐ。
夏には川できんきんに冷やしたビールに
お日さまの匂いのする野菜でもてなす。
大好きな人はそれをがぶりと齧り、
ゴクゴクと冷えたビールを飲む。
その姿に私は見とれるので、
大好きな人は目を細めてうれしそうに笑うことだろう。
私は大草原の小さな家のローラのように、
大きな前掛けをしているので、
顔も手も、野菜もみなそれで拭く。
それをみた大好きな人は、
ワイルドになったね、と驚くことだろう。
芋虫や蚊、蝶ちょやだんご虫とも、
ヤモリやトカゲやかえるともいずれ親しくなる。
ワイルドな女なので日焼けも気にしない。
平屋の暮らしは豊かに過ぎる、
夜がきて朝が来る。
大好きな人が来るのを私は豆を剥きながら待つ。
手先が不自由で目も良く見えないので、
なかなかたくさんは剥けないが、
それは心楽しい労働だろう。
晴れた日は裏庭で剥く。
春風が頬っぺたをなでるので
ああ、眠たいな~と思っているうちに、
私は逝くのだ、
そんな平屋がいつかほしいと思う。
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