何もなくなっても。
ごぶさたしています。
お変わりないですか。
秋も深くなりました。
木の葉の色が美しく、
一雨ごとに美しく、
美しく、
哀しいくらいに美しい、
そんなこの頃です。
朝露のアスファルトに白く
遠く霞む比叡の山の蒼に
赤い楓の葉の紅に
黄色い銀杏の葉の影に
ワイン色の蔦の葉の紫に
あなたの面影を探している私です。
裏腹に
足早に過ぎ去っていく日々は
まるで人ごとのようで、
振り返っては
びっくりしてしまいます。
あなたのいない二つの季節が
過ぎてゆこうとしています。
私は今日も
1.2.1.2・・・と、
走っています。
吐く息に、
踏み出す一歩に、
命の形をみています。
もし、
仕事もなくなって、
お金もなくなって、
あなたも私の元を去り、
誰にも
自分にも
なにも期待さえれなくなったならば、
さて、どうしているだろう、と。
そんなことを思いながら走っています。
身一つで、
走る。
しんどくなれば歩いてもいいよと、
自分に言い聞かせ、
今日もとりあえず走り出す。
それは人生のすべてなのかもしれないと、
そんなことを思います。
今私の持っている、
こだわりの愛着あるものたち、
それらがもたらしてくれた恩恵が
ある日突然無くなったとしたら・・・と。
走りながら思います、
それでも生きていけるかもしれないと、
思える何かをつかみかけています。
仕事に敗れても、
夢に挫折しても、
手足が動かなくなっても。
どんなにのろくても、
前に一歩踏み出し続けることは
自信という見えない力を生む。
お金や権力より
それは確かな力だと気づきかけています。
何もなくなっても。
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